夏の暑い日に、「カチャ、カチャ」「リーン、リーン」と涼しげな音をたてて、リヤカーを牽いた金魚やさんがやって来ました。その音を聞いただけで、子どもだけでなく、大人の人達も、ウキウキソワソワして、その屋台の周りを取り囲みました。けっして、金魚が珍しかったわけではないでしょうが、ガラスの金魚鉢の涼しげで、きれいな色彩、あるいは、いっしょに売っていた水草や風鈴などが、一時、暑さを忘れさせてくれたからでしょう。
それにしても、大手を振ってリヤカーを牽くことができるほど、車が少ない時代でした。他にリヤカーで、物を売りに来たのは、八百屋さん、魚屋さん、籠(かご)屋さん等がいました。

リアカー‥‥大正時代に自転車の後ろに付けて、荷物を運べるように考え出された二輪の荷車。(REAR CAR

金魚屋